下町、向島も最近は、近代的な建築の灰色の風景となりました。しかし東向島駅から都道306号線をこえると、時代に取り残されたかのような緑が広がります。ふっとタイムスリップしたかのような楽園の姿に、慣れておられない方は一瞬ホッとして、そして次の瞬間には、自らに眠る日本人の遺伝子に訴えかけるような空気に、心打たれることでしょう。
向島百花園の見所や周辺グルメを紹介!
ここ向島百花園は、今からさかのぼること約200年前の江戸時代の文化文政期に、俳句や和歌を彩る大切な要素である、自然の美しさ、そして数々の草花を、実際に栽培、管理し、創作の資料とした花園です。
東京都墨田区東向島三丁目。
紅葉の季節、郊外へお出かけもいいですが、都内にも向島百花園があります。
四季を通じて美しい日本の草花が楽しめる向島百花園ですが、今の秋の季節は特に見どころが多いものです。
春の七草と同様に、秋の七草というものもあるのをご存じですか?萩、桔梗、葛、藤袴、女郎花、薄、撫子です。そのすべてが、向島百花園では楽しめます。
日本古来から愛されている土着の花々は、外来の花にはない魅力があるものですが、ただでさえセンチメンタルで落ち着いた秋には、萩の小さな筒のような花が、傍らからは語りかけて来るようにすら感じますし、撫子の細く繊細な花びら、葛の優しげな丸い葉など、日本的な美に思う存分に浸れます。
うさぎ追いしかの山・・・そんな童謡の世界すら頭に浮んでくる素晴らしいものです。
入園料もお手ごろで、一日楽しめるのも魅力。
開園時間は午前9:00から午後5:00まで、最後の入園は、午後4:30まで。休園日は、12月29日から 1月1日までとなっています。入園料は一般が\150、65歳以上が\70。小学生と、都内の中学生は無料です。
そのほか、団体割引きや年間パスポートもございますので、03-3611-8705にお問い合わせください。
皇室にもゆかりがあり、由緒ある庭園でありながら、フレンドリー。
さてここで、向島百花園を訪れたお客様の口コミをご紹介しましょう。
皇室ファンの私からすると、毎年天皇陛下に献上される春の七草が、ここ向島百花園の産であるということで、身が引き締まる思いです。
私が訪れたころには梅が見ごろで、まだ吐く息も少し白い中、梅の赤や白の花に囲まれて歩を進めると、心が洗われた気がします。
百花園の名前は伊達ではありません。人がひしめき合う東京では、ときにちょっと息苦しく感じることもありますが、花がひしめき合っている百花園の様子は、にぎやかで優しさにあふれたものですね。
東武線を利用するときには、時間に余裕があるときにはいつも最寄の東向島駅で降りて、ここ向島百花園のベンチで時間を過ごしています。