みなさんは泪橋をご存知でしょうか?泪橋といっても橋があったのは昔のことで、今ではかつてあった橋も埋め立てられ、「泪橋」の名前が残るだけです。この泪橋は荒川区と台東区の境にありますが、実はここ、あのマンガの名作『あしたのジョー』の舞台となったところなのです。
ジョーの等身大フィギュアも見れる!あしたのジョーの舞台、泪橋。
『あしたのジョー』は1967年に連載され、主人公である矢吹丈が繰り広げる人気ボクシング漫画です。その矢吹丈が所属する「丹下拳闘クラブ」というボクシングジムが、この泪橋のたもとにあったという設定になっています。泪橋は山谷のドヤ街のそばにある川に架かっている橋ということにマンガ上はなっていますが、『あしたのジョー』が連載されていた頃にはこの橋はすでになく、創作の可能性が高いとされています。
泪橋は前述の通り荒川区と台東区の境にありますが、最寄駅は南千住となります。
そんな泪橋に私が訪れたのは今から2年前のことです。私は地方の会社に勤めていますが、2カ月に1度ほど、東京に出張があります。当時、会社の取引先である南千住のお客様のもとを訪れた際、昼食のための散策時、偶然、この「泪橋」の標識を見つけました。「変わった名前の地名だな」最初はそんなふうにしか思いませんでしたが、ある道路の曲がり角を曲がって歩いたところで「あしたのジョー」の主人公である矢吹丈の等身大フィギュアに出くわしました。突然のことでびっくりした私でしたが、その瞬間、あの「泪橋」の標識と「あしたのジョー」が頭の中でイコールで結ばれました。せっかくだったので、さらに周辺を散策すると、いろは会という商店街には「あしたのジョーのふるさと」と書かれた垂れ幕が飾られており、私は出張中でありながら、どこかワクワクした気持ちでいっぱいになりました。
あしたのジョーのふるさと「いろは会商店街」
さて、ここまで来たらめぐりたいのがいろは会商店街。台東区日本堤にある商店街です。
ここは近所に住んでいる人からすると、「山谷(さんや)」という地名のほうがしっくりくるかもしれません。ある意味どや街でありながら、最近ではミュージックフェスなども実施していたりと、何かと話題のエリア。
浅草の奥という場所にあるので、格安で日本旅行をするバックパッカーの方が泊まれるような宿も増えていたりします。
いろは会商店街はすっかりシャッター街で、気軽に散歩をする…のとはちょっと程遠い雰囲気はあるものの、あしたのジョーの舞台を知るという意味では、非常に良い経験になるはず!
泪橋周辺、いかがでしたでしょうか。今でも都会でありながら、あの「あしたのジョー」の世界である下町情緒がまだまだ色濃く残る街です。ぜひ一度、足を運んでみてはいかがでしょうか。