こんにちは、浅草観光のオトモ編集部のスタッフです。
浅草の色々なお店を知るうちに、「色々な思いを持ってお店を営業されているのになかなかお客さんってその辺を知らないよなぁ…」と思うことが多く、お店の情報だけでなく感情までも伝えるコーナーを作ってしまいました。これをきっかけにお店に行ってみたり、そのお店がさらに好きになって頂ければ嬉しい限りです。
今回は、浅草から上野方面へ向かう途中にある新御徒町にある「OKACHI20番」さんに伺ってきました!リーズナブルで料理も美味しく、雰囲気やお店の方も素敵で思わず通いたくなってしまうお店です。
地元密着型の串焼きバル、OKACHI20番
2014年の1月にオープンしてまだ1年ちょっと。それなのに、多くの常連さんがいる人気のお店です。夕方の17時から夜中の3時まで営業しており、夕方はカフェ代わりの利用や、会社帰りの人で賑わい、夜中は地元の方で多く賑わいます。
場所は新御徒町から蔵前方面に2分ほど歩いたところにあります。このあたりはお店もさほど多くないのですが、実は隠れた良いお店が多くあるエリア。春日通り沿いに、ほっこりした明かりと落ち着いた赤のファサードが見えたら、そちらがOKACHI20番さんです。
お店に入ると、右手にカウンター、左はテーブル席が並びます。席の間隔もあるので、人が多くてもガヤガヤしすぎず落ち着きがあるのが嬉しいところ。
料理は串焼き料理や、小皿料理、煮込み料理、サラダ、パスタやご飯ものなど、種類が豊富。もともとメニューがたくさんあるのに、季節ごとのおすすめメニューなどもあり、選ぶのも迷ってしまいます。
今まで、串物、サラダ、炒め物、揚げ物、おつまみ、パスタ、ご飯もの、肉料理、魚料理など食べましたが(むしろほぼ全部)、どれを頼んでもいけます。美味しいです。
編集部(個人)的なおすすめは、
- アンチョビキャベツ(定番だけど絶妙でうまい)
- 葱タンの串焼き(安ウマとろとろ)
- グリル料理(牛とか羊とか美味しかったです)
- 季節ものなのであるかわかりませんがクレソンと砂肝のライムアヒージョ(アヒージョにライム!?初めての味でホント美味しい)
- ラム肉のグリーンカレー(普通のグリーンカレーを想像するとまさかの感じで出てきます)
メニューも変化しますので、色々試してみると良いと思います。
お酒を楽しむにも、食事を楽しむにも、お話を楽しむにもちょうど良いOKACHI20番さん。
ここからはOKACHI20番さんに伺ったお話を紹介したいと思います。まずは、お店をはじめたきっかけについて伺いました。
人間味や温もりを忘れない飲食店へ
独立を意識したのは今から17年前。18歳の頃、ファーストフードで働いている時だそう。
「お客様と関わる時間が比較的に短かいファーストフードでありながら、人との繋がり、思いやり、誠実さ、謙虚さ、感謝の心など、多くを学んだのが、今につながっています。」
その中で、人に感謝することで感謝される仕事、人に本気で向き合い本気で思い続けることが最重要な仕事だと知り、この外食産業の誇りを感じた、と振り返ります。そしてただ誇りに思うだけでなく、「外食産業の価値をより多くの人に様々な形で伝えていきたい」という思いに変わり、独立の決意に至ったそうです。
その後は、独立の基礎を身につけるため、小規模店舗から大規模チェーン、多業態、多商圏での飲食店運営に携わって経験やノウハウを積んできたそうです。
また、外食に関わるなかで、「今の外食産業はコストパフォーマンス重視の商品戦略が主流」であることを実感し、またその結果として「飲食店としてあるべき価値、人間味、温もりといったものが薄れているように感じた」とのこと。
様々な経験から至った結論は、「この業界に一生を捧げる」ということ。そして外食産業から多くの“学び”を貰いつつ、「飲食店としてのあるべき価値を何としても取り戻したい」という考えでした。こうして形になったお店が、OKACHI20番なのです。
新御徒町というエリアに関しては、「人情深い、素敵な方々ばかりが集まって下さる環境と立地」と言われてましたが、きっとこういった思いでお店を作っているからこそ、人が集まっているのでしょうね。
お店の料理やお酒に関するこだわり
美味しいお料理やお酒ですが、特におすすめはどんなメニューなのでしょうか。
「串焼きTAPASバルというショルダーネームにあるよう、召し上がっていただきたいのは、串焼きとタパス料理(小皿のお肴)です。」
ゲストから持たれるバルというお店への印象から、主にワインとのマリアージュを重視した味わいとラインナップを揃えたのだそう。
串焼きとは言っても、和風なラインナップではなく、ワインに合うように一手間加えられたオリジナルの串焼きです。例えば葱タン。タン焼きかと思いきや、煮込んだタンを炙り、葱ソースをかけたものになっています。
バルの定番料理、しし唐の素揚げやアンチョビキャベツ、アヒージョと、トリッパの煮込みいった定番メニューはもちろん、肉付軟骨の青山椒揚げや桜燻製 枝豆など、ビールや焼酎が進みそうなメニューまで幅が広いです。
「料理メニュー全体については、イタリアン、フレンチ、スパニッシュなど様々な調理法と、地域の方々に受け入れられやすい味わいを意識しております。」とお話している通り、バラエティ豊かなのに親しみやすいメニューばかり。
デザートも美味しいですよ!こちらの手作りプリンは絶品です。
ドリンクメニューについては、「地域の方々が使い勝手の良いカテゴリー、価格を強く意識しました。ワインはヨーロッパからニューワールドまで、それ以外のお酒も、ウィスキー、サワー、カクテルなど、幅を広げてラインナップしております。」とお話する通り、気取らずに楽しめるものが豊富です。
あくまでも地域密着。だからこそ、気取らないけれど美味しい、こだわりのある美味しい料理やお酒が楽しめるんですね。
また、味だけでなく、「安全・安心」な面も気を使われているそうです。
「飲食店で安全なものを安全な環境で提供するためには常に細心の注意を払う必要があります。それは食材から器材、全てが生ものとなるためです。新鮮な素材の使用はもちろん、ありとあらゆるものを疑って取り扱いを行うこと、殺菌、滅菌を徹底しております。」
…飲食店を利用する上でも、人の口に入るものなので不安な思いはしたくありませんよね。こういった細部まで気が回っているというのは、利用者としては大変心強い限りです。
お店に関するこだわりや思い
他にもこだわりやお店への思いについて伺いました。
「全スタッフで意識しているのは、お客様が安心して過ごせる、温かい空間を作ることです。」
地元の方々のご利用が多いからこそ、その方々から何十年も愛していただく為に“自分たちから”お客様、街を愛しつづけること、地元密着店であり続ける姿勢をモットーとされているのだそう。
浅草に長くいる身としても、このあたりの方は1度愛情をもったら裏切らないような人情深さを感じます。…とはいえ、馴れ合いにならないよう、気をつけている面もあるのだそうです。
「一方で、【お客様との距離感】も強く意識しています。…というと、冷たさを感じられるかもしれませんが、当然そういうつもりではありません。地域密着店という軸、コンセプトから、幅広い利用動機のお客様が集まって下さっています。しかし、どのお客様もどんな状況でも裏切りたくありません。そのことを永続的に維持するために、お客様との適切な距離感を保つことも大事だと考えています。」
「スタッフ本位な事情ですが、飲食店は働く人が入れ替わります。そんなときにでも、お客様を裏切らないよう、悲しませないよう、【お店のファンになっていただくこと】【思いやりを伝え続けられるお店作り】を重要視しています。」
…人でお客さんを集めるよりも、お店でお客さんを集めるほうが難しいですよね。でも、それを「お客様のために」と実践されているのは、すごく素敵だと思いました。
色々と伺いましたが、OKACHI20番さん、どうもありがとうございました!素敵な思いを聞くことが出来、編集部も満足です。
まだお店に伺ったことがない方も、すでに常連さんである方も、こういった思いを聞くと、また違った心持ちでお店にいけるかと思います。肩肘張らずに楽しめる、新御徒町のバル「OKACHI20番」さん。是非、一度、足を運んでみてくださいね!