気っぷの良い江戸っ子の町、浅草は、一度来てしまえば思わず笑顔になってしまうパワーを秘めていますが、ちょっとにぎやかさから距離を置いて、一休みをしたいときもありますよね。
蕎上人の店内の雰囲気は、まさにそんな人にうってつけです。あくまで紳士的でありながら、どこかくだけたけだるさを許してくれる・・・。きっと打ち立てのそばの香りが、足を踏み入れた人たちの心を優しく包んでくれるからなのでしょう。
浅草隅田川沿いの駒形の、おいしい手打ちのそば屋、蕎麦上人
電話番号は03-3841-7856、住所は東京都台東区駒形2-7-3、定休日は月曜と、第2第4日曜、営業時間は11:30から14:00までのランチタイムと、17:00から20:30のディナータイムとなっております。
あまり宵ッ張り(夜更かし)せずに、明日の仕事に備えるところも、時代に迎合するより蕎麦の品質を守るという心意気が見えてすがすがしいものです。
店主の飽くなき探求心がキラリと光るそばたち。
メニューで目を引くのが、なんといっても3色そば¥1510と、5色そば¥1940。
これは、お茶、ケシの実、ゆず、スズシロ(大根)、しそと、その日によって微妙にラインナップのかわる変わりそばを、お客さんが 3種類ないし5種類選んで楽しめるという、珍しいひと品。清廉なそばの味に、様々な大地の恵みの香りがほのかに加わることで、まるでそばをすすりながらにして風景を鑑賞しているかのような気持にさせてくれます。
スタンダードな”おせいろ”と”田舎そば”は各¥1000、”かもせいろ”が¥2050、”天せいろ”が¥2700。
リーズナブルなお蕎麦ではないものの、こだわり抜かれた国産の最上級そばの実を石臼で挽いたそば粉を使用し、毎日手打ちをしているからこそのお値段。
もちろん、お店の雰囲気も落ち着いており抜群です。
飲める蕎麦上人。蕎麦前のつまみでお酒を、しめは蕎麦で
それではここで、蕎上人でそばに舌鼓を打ったお客様の口コミをご紹介しましょう。
そば屋で酒を飲む・・そんな、道楽好きの江戸の旦那衆のような贅沢を、私はここ蕎上人でしばしば楽しんでいます。卵焼きやクルマエビのてんぷら、あるいは鴨なんのつけ汁に入っているカモ肉なんかをつまみつつ、日本酒をキューッと。ほろ酔いになったところで、
そばをちょっとたぐって、あまり長居はし過ぎずにクールにのれんをくぐって去る。そんなカッコつけが様になる、粋なお店です。
店主が蕎麦を切るトントン・・という音の隙間にズズッ、と快く響く、そばをすする音。
忙しい毎日も、ここに来るとほっと一息つけます。変わり蕎麦で味わえる、ゆずやしそといった和の香りがアクセントとなった風味は、心まで洗ってくれるよう。やっぱりお蕎麦って、いいものですね。