昔は浅草観光に、母と伯母はよく連れ立って出かけていて、私はお供で付いていったっけ。二人の昼食は決まって「大黒屋天麩羅」の天丼で、小学生の高学年まではよく行っていた。
黒い天麩羅で丼からはみ出していたから、小さな私には「すごいご馳走」のランチだった。
浅草名物、江戸前天丼の大黒家天麩羅
成人して主人とデイトで浅草にはよく出かけたが、「大黒屋天麩羅」を訪れることは無かったのだ。訳は「大黒屋は美味しくない」という彼の意見から…。彼の美味しいという天麩羅は、カリッとサクサクに揚った江戸前の味らしい。
だから私も現在の60歳になるまで、「大黒屋」の暖簾をくぐったことはなかった。
老舗のお店だし人気もあるから、行列はできているけれど、横目にみながら通り過ぎるだけ。
「中清」とか「葵」とか、別の店に入ることもあるし、寿司や鍋、釜飯など食べたいものが満載の浅草だから行くこともないし…。
けれどそんな中、縁があって再び訪れることが出来た。
久しぶりにくぐる暖簾は、昔の印象と変わらず老舗らしい風格が漂っている。
店内も、木の温もりが漂い、昭和からそのまま現代に来たような電球。そして胡麻油の香ばしい香り。味や香りなどの五感は忘れないというのは本当みたいだ。
そして運ばれてきた天丼の大きさ!
小さい頃に見て大きいとおもったものは、大人になると小さく見えるというが、とんでもない。大人になってこそ判る、十分すぎる大きさだ。
一口頬張ると、ふわっとした衣に丸々とした海老。そして濃く見えて、しょっぱくないタレが絡まり、大変美味しい。
大黒屋天麩羅の口コミ評価
口コミを見てみると、
「有名だから食べてみたい」
「浅草に来たら寄りたい」
「老舗の味に興味がある」
…等々の書きこみが多く、味わいよりも、その人気だから食べた方が多いようだ。
中には、衣が厚い、サクッとしていない、重たいなどの感想も見える。
…でも、私の料理好きの母や伯母は大好きで絶賛した味なのだから、まずいというのは果たしてどうかな?
カリッとサクサクではないのは、「蓋をした蒸らし天丼」だからなのだそうだ。
タレが黒いのは、江戸っ子好みの濃い蕎麦つゆに合わせているから、なのだそうな。
130年間続く秘伝のタレ、美味しいと感じるのは「江戸っ子」だから、とか。
私の母と伯母は岩手出身だから、江戸っ子ではない田舎者だ。
その田舎者をも虜にした味わい、大好きな人もいるから老舗なのだ。
浅草で江戸前天丼の体験を
天丼は「サクサク」が好きな人は行く必要は無いけれど、変わった味わいの江戸の天丼に興味のある人にはおススメ。
行列しても、出来上がりが遅くても、多少は高くても、それが老舗の味と思えば最高の味わいになるはず。口コミの人は、大体が観光客で興味があっての食事の結果のこと、期待が大きすぎると点数も辛くなるもの。
江戸っ子が好きな『蒸らし天丼』に興味がある人は、食べてみて…。
子供の頃の記憶では、黒いのは胡麻油で揚げているから、と聞いた覚えがあったのだが、やはり胡麻油を使用しているようだ。書いていて昔ながらの味わいの天丼、母と伯母を偲んで行ってみたくなった私だった。
他にも大黒屋の口コミが見たい方は、どうぞこちらもチェックしてみてください。
→江戸前天丼の大黒家天ぷらの本店へ!
トシ より:
男性 (50代)
2015/08/27 12:10
浅草に行った時に、大黒屋天麩羅本店で名物の天丼をいただきました。海老の天ぷらがどんぶりのふたからはみ出ていました。ふたを取ると・・・大きな海老の天ぷらが4匹ど~ん。しかも天ぷらの衣が黒っぽい、こんな濃いだしに付けた天丼は見たことがありませんでした。ゴマ油の香りがプ~ン。食欲をそそります。4匹もいるので海老だけで結構お腹が膨れます。味は濃い目のだしが下のご飯と相性バッチリ。たらふく、天丼を堪能してお値段1900円でした。店は早く行ってもすでに列がありましたので、お早い目に並ぶことをおすすめします。
さとう より:
女性 (20代)
2015/10/31 16:17
こちらの店といえばやはり天丼です。東京の知り合いにも「ここの天丼は食べた方が良い!」と言われ、観光ついでに食べに行きましたが、とても美味しかったです。厚めの衣にタレがしみ込んだ天ぷらとご飯の相性は抜群です。出された瞬間に丼の蓋からはみ出るえび天のしっぽは初見では驚きでしたが、観光の良い思い出となっています。店内もちょっと昔を思わせる懐かしい雰囲気の内装で、安心した時間を過ごすことができました。お昼時は観光客で混み合っていますが、時間帯をずらせばすぐ入れました。