東京東側の観光地は、浅草、上野、スカイツリー周辺だけでなく、そのほか下町エリアを歩いてみるのも楽しいもの。そんな下町のなかでも、見る、食べるとバランスよく楽しめるのが、亀戸です。
今回は亀戸の思わず回りたくなるおすすめ観光スポットを10箇所紹介したいと思います。
亀戸のおすすめスポット10!
JR総武線の「亀戸(かめいど)」は、お隣の錦糸町エリアとともに副都心として、東京都から指定されている人気タウンです。ランドマーク的存在の亀戸天神社をはじめ、老舗の銘店や人情味ある商店街、下町の味を手ごろな値段で楽しめるグルメスポットなど、どこか懐かしい魅力あふれる下町です。
東京一の藤の花、亀戸天神社
亀戸といえば、やはり「亀戸天神社」は外せません。学問の神様・菅原道真公をお祀りする亀戸天神社は、寛文元年(1661年)に創建され、江戸時代から広く親しまれている神社です。大鳥居をくぐると最初に見えてくる赤い太鼓橋は「男橋」、まっすぐ本殿に向かうともうひとつの太鼓橋「女橋」があり、池には泳いだり甲羅干しするカメがたくさん見られます。亀戸天神の名物行事といえば、4月下旬から始まる「藤まつり」。東京一と言われるだけあって、たくさんの藤が一斉に咲き誇る壮観な光景が圧巻です。歌川広重の浮世絵にも描かれた藤の名所は、露店もたくさん出て毎年たいへんな賑わいを見せています。
葛餅の名店、船橋屋
芥川龍之介など多くの文化人が通った、くず餅の店として有名な「船橋屋」は、文化2年(1805年)創業の老舗で、本店は亀戸天神社のすぐ隣にあります。こちらのくず餅は、小麦でんぷんを15ヵ月発酵精製するという、たいへんな手間と時間をかけて作られていて、黒蜜ときな粉を加えた絶妙なハーモニーがクセになります。老舗らしい趣のある店構えの亀戸天神本店は、おみやげの販売だけでなくイートインスペースもあり、くず餅のほか、あんみつやおしるこ、夏にはかき氷なども提供しています。店内は、休日・平日関係なく常に賑わっています。散策途中の休憩や亀戸天神参拝の帰りにぜひ立ち寄りたい銘店のひとつです。
東京土産にもおすすめ!江戸切子の店華硝
江戸時代末期に江戸で始まった伝統工芸「江戸切子」は、東京都江東区と墨田区に工房が集まっており、地場産業として脈々と受け継がれています。1990年代には、江戸切子の工房としては初となる直接販売を目的とした「江戸切子の店華硝」が亀戸で設立されました。こちらの工房で製作されている江戸切子は、手磨き仕上げにこだわった、ガラス本来の輝きと切子の美しさが調和した工芸品です。2008年の洞爺湖サミットではワイングラスが贈呈品として用いられ、以後も国の贈呈品として常用されています。江戸切子の伝統的な紋様に、工房オリジナルの紋様を組み合わせた芸術性の高い作品は「江戸切子の店華硝」でしか販売されていません。
メニューは餃子のみ!亀戸餃子
老舗の餃子専門店「亀戸餃子本店」は、1950年に開業して以来、メニューはドリンクと焼き餃子のみを貫いています。一皿に餃子五個で250円、二皿以上の注文がルールで、都度オーダーしなくても次々とわんこそばのごとく餃子が運ばれてきます。薄目の皮にザクザクのキャベツとたっぷりのニンニクが入った餡のマッチングが絶妙、焼き具合もいい感じです。何個でもいける餃子なので、回転ずしのように餃子の皿が積み重なってしまうことも。低価格ながら国産の材料を使い、ラー油をはじめお酢やしょうゆもオリジナルというこだわりようで、連日多くの常連客で賑わっているのも納得なお店です。
分厚い!旨い!萬清(とんかつ専門店)
メディアで頻繁に紹介されているので、とんかつ好きな方なら一度は耳にしたことがあるとんかつ専門店「萬清」。こちらのお店は、食肉卸業者直営ということだけあって、平日ランチはトンカツ定食など700円からで、キャベツ、ご飯、味噌汁のおかわり無料という、うれしい下町価格です。なんといっても圧巻なのが「特選豚横綱ロースかつ定食」。横綱の名にふさわしく、見た目のインパクトは絶大で、重量300gの肉厚4cmというとんでもないボリュームです。肉質は柔らかく肉汁がたっぷりあふれ衣もサクサクで大満足。このとんかつ目当てに来店する方が多いというのも頷けます。値段は2160円と決して安いとは言えませんが、コストパフォーマンスは他店と比べても最高です。亀戸でとんかつ食べるならこちらがオススメです。
亀戸郷土料理、亀戸升本(亀戸大根料理)
「亀戸大根」を使った料理を提供する「亀戸升本」は、明治38年に酒屋として創業した老舗です。亀戸大根は、江戸時代末から大正まで亀戸で栽培された幻の江戸野菜といわれた大根で、一般に流通している大根に比べ、かなり小ぶりでカブに近い食感です。こちらのお店は、野菜や米だけでなく調味料も有機栽培の素材を使うなど、健康にこだわった食を提供しています。イチオシの料理はなんといっても「亀戸大根あさり鍋」です。味噌ベースのスープに小ぶりできめの細かい亀戸大根とあさりの相性はバツグン。平日のランチは、亀戸大根あさり鍋、麦菜めし、亀戸大根たまり漬けに揚げ物などがついて1420円とお値打ちです。
江戸城下町の文化を発信する、亀戸梅屋敷
「名所江戸百景・亀戸梅屋敷」といえば、かのゴッホも影響を受けた浮世絵師・歌川広重が描いた作品のタイトルとして日本のみならず海外でも有名です。こちらの観光施設は、世界に江戸下町文化を発信する拠点として、広重の作品にあやかり「亀戸梅屋敷」と名付けられました。施設内には、亀戸物産店と観光案内所、無料休憩処、多目的ホールが入っています。また、水陸両用バス「スカイダック」の発着ターミナルがあり、亀戸梅屋敷を起点に「亀戸コース」と「東京スカイツリーコース」の周遊コースが出ています。両コースともスプラッシュポイントは旧中川で、バス車内は大盛り上がりです。大人気のコースなので早めの予約をオススメします。
こいのぼり祭りで有名!亀戸五丁目中央通り商店街
photo by 亀戸五丁目中央通り商店街
JR亀戸駅北口を出て、亀戸五丁目に向かって明治通り沿いを3分ほど歩くと、右脇道に「亀戸中央通商店街」の入口が見えてきます。この入口から東武亀戸線踏切先まで延びる全長660mの商店街が「亀戸五丁目中央通り商店街」です。青果店や精肉店、日本そば店、餃子専門店、雑貨専門店など多数の店舗が並んだ商店街は、なんとも懐かしい雰囲気が漂っています。商店街名物のイベントは「破価市」で、1974年に商店街全店協力のもと9割引きの記念売り出しを行ったのが起源で、「ばか値で奉仕」というキャッチフレーズから「ばかいち・破価市」と名付けられました。この破価市は例年4月と5月に開催され、5月には「こいのぼり祭り」も併催、商店街中にこいのぼりが泳ぐ壮観な眺めが楽しめます。
家のおみやげに!但元いり豆本店
明治通りと蔵前橋通りが交差した場所にある、老舗の炒り豆専門店「但元(たじもと)いり豆本店」も、亀戸の代表的な店としてメディアで取り上げられる機会が多いので、ご存じの方も多いと思います。但元いり豆本店は大正5年(1916年)創業で約100年の歴史があります。大正時代の風情を残す店構え、年季の入った木枠のガラスケースやレジスターが、なんともいい味を醸し出しています。20~30種類の豆菓子の中で、店のイチオシは「塩豆」ですが、砂糖をコーティングした豆も素朴な味わいでオススメです。豆は升を使った2デシリットル(約1合=150g)単位の量り売りで、趣のある紙袋に入れてくれます。炒り豆を狙って襲来する鳩を店主が追い払う光景も、この店の名物のひとつになっています。
有名な美味しい焼肉屋、亀戸ホルモン
ホルモン激戦区の亀戸で連日行列ができる「亀戸ホルモン」は、芝浦の食肉市場から毎朝仕入れる新鮮なホルモンが低価格で楽しめる大人気のお店です。昭和が舞台のドラマに出てきそうな、古き良き時代の外観が下町・亀戸に溶け込んでいます。備長炭を使った七輪で焼くホルモンは、遠赤外線効果でほどよく火が通り、炭に滴る脂の香りが食欲を誘います。もやしのナムルや大盛り麦飯は、まんが日本昔ばなしみたいな「マンガ盛り」で出てきますので、肉中心で楽しみたい方は注意しましょう。金土日の夜はかなり混雑するので、平日の来店がオススメです。ちなみに、こちらは予約不可となっています。