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    酉の市の商売繁盛のお祭りの歴史や特徴、熊手の買い方を知ろう!

    目次

    酉の市とは?商売繁盛を願うお祭り

    torinoichi
    酉の市、というものをご存知でしょうか。蚤(のみ)の市ではありません、酉(とり)の市です。
    酉の祭(とりのまち)、大酉祭、おとりさま、あるいはおかめ市とも呼ばれ、毎年11月の酉の日には、全国の鷲神社をはじめとした鷲や鳥と縁深いお寺や神社でお祭りが行われます。鷲神社は日本武尊(やまとたけるのみこと)をお祀りしており、開運や商売繁盛の神様として信仰されています。

    酉の市といえば!縁起物の熊手

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    酉の市とは、その際に境内にたくさんの出店や露店などが出て市が立つ事を言い、なんと言っても最大の目玉は、縁起物の熊手です。手のひらに載るくらいの小さなものから、中には持つとずっしりと重く、上半身がほとんど隠れてしまう程の巨大なサイズのものまであります。開運と商売繁盛の神様のお祭りとあって、この酉の市の熊手は「運を掻き込む」「金銀を掻き集める」「福を掻き込む」縁起物として酉の市に欠かせないものとなっており、「掻き込む」事から<はっこめ><かっこめ>などとも呼ばれ、特に商売繁盛の観点から、自営業の方やお店の方が多く購入していかれます。

    大きな酉の市ともなると、熊手を売る店が境内にひしめき、そこかしこが威勢の良い掛け声で溢れます。酉の市に行ったことの無い方がイメージしやすい様に言うと、その掛け声は「手締め」と言い、最近はあまり行われませんが、結婚式などのめでたい席の終わりを手拍子と掛け声で締めくくるものと同じで、酉の市では熊手を買った人に向けて、お店の人達が景気の良いリズムと威勢の良い声で囃し立ててくれるものです。時々買ったお店の隣のお店の人も混じっちゃったりしますけどね(笑)。

    「なぜそんな事をするの?」と思う方もいらっしゃるでしょうが、それにはちゃんと由来があるんです。
    同じく神社で頂く縁起物である、例えば破魔矢などは、買った時に手締めなんて行いませんよね。そもそもこの<手締め>というものは、商いの場で取り引きが成立した時に行われたのが始まりとされています。

    酉の市では熊手の「値切り」を行う!

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    しかしこの酉の市で売られる熊手に関しては、なんと縁起物にも関わらず、<値切り>を行うのが風習として残っているのです。
    「縁起物に出すお金を渋るなんて、ケチ臭い!」「逆にバチが当たっちゃうんじゃない?」なんて思うかもしれませんが、実はそうでは無く、お店の方の言い値から値切り、値切った上で最初の言い値の額をお店の方に渡し、お釣りとなる金額がそのままお店の方へのご祝儀になる、という、何とも粋でおもしろい風習が残っているのです。そういった「商談」が行われた後なので、手締めが習わしとなっているんですね。お店の方からの、ご祝儀への感謝の気持ちも込められているのかもしれません。

    関東の酉の市、関西のえびす講

    そんな風習があるため、この酉の市は他のお祭りよりちょっと賑やか。大きなところで言えば、鷲神社の総本社と言われる大阪府堺市の大鳥大社や、酉の市の発祥とされる足立区の大鷲神社、浅草の鷲神社などが有名です。
    とは言うものの、お近くに鷲神社が無い所にお住まいの方には、<酉の市>という言葉自体、聞いた事が無いかもしれません。それに実は酉の市が行われている神社やお寺は関東地方に集中しており、それ以外の地方の方は耳馴染みが無いのではと思います。前出の大鳥(鷲)神社の総本社こそ大阪にありますが、関西で縁起物の熊手をもらうお祭りと言えば、酉の市よりえびす講(えべっさん)の方を思い出す方が多いのではないでしょうか。

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    えびす講も同じく秋に行われるお祭りのひとつで(十日戎と言って、1月に行われる場合もある)、酉の市と同じ様に飾りをたくさんつけた熊手や、福笹と言われる縁起物を神社からいただく、賑やかなお祭りです。境内には手締めの声が響いたりと、非常に良く似た特徴を持っていますが、実は酉の市とは全く関係の無いお祭りなんです。
    酉の市が鷲神社をはじめとした寺社で行われるのに対し、えOotori_jinjaびす講はその名の通り、七福神の恵比寿さんを祀った神社で行われるもの。こんなに似ているお祭りなのに、実際は全然別のものだなんて、とても不思議ですね。起源も、神無月で日本中の神様が出雲大社に行ってしまっている間、<留守神>として留守番をして各地を守ってくれている恵比寿さまに感謝したのが始まりとされており、酉の市とは全く別ものなのです。

    続いては酉の市の歴史を見てみましょう。酉の市がそもそもどのようにして浸透したのか、実は起源がいろいろとあるのです。

    酉の市の歴史・起源

    えびす講の起源が留守を守る恵比寿さまに感謝を印した事から始まったお祭りならば、酉の市の起源はどこにあるのでしょう。実は酉の市の起源には神道・仏教・俗説、それぞれからくる三つの説があります。

    神道による起源の酉の市

    神道による説では、酉の市が始まった明確な年代は分かっていませんが、日本武尊が東国征討をした際に大鷲神社で勝利を祝った事から始まったとされています。
    日本武尊は言わずと知れた日本書紀や古事記の中に出てくる英雄で、古代日本の皇族だったと言われています。父である天皇からの命で西の国々を討伐した後、再び次は東夷征討を命ぜられ、その際に戦の勝利を祈願したのが今の埼玉県久喜市にある鷲宮神社の本社であったそうです。東夷平定を果たした日本武尊は、戦いに勝った祝いに今の東京都足立区花畑の大鷲神社を訪れ、お礼参りをしました。浅草の鷲神社によると、その時に日本武尊は、武具であった熊手を神社の前の松の木に立て掛けてお参りをしたそうで、それが酉の市で縁起物として熊手が授けられる由来となったそうです。
    その後大和に帰る帰路で、無念にも日本武尊は病に倒れ、都へ帰り着く事が出来ませんでした。皆がお墓を作り悲しんでいると、日本武尊の魂は白鳥となって舞い上がり、最後に行き着いた場所に現在の大阪府堺市の大鳥大社が建てられました。
    酉の市が11月となった事については、日本武尊が亡くなったのが11月の酉の日だったという説と、お礼参りに大鷲神社を訪れたのが11月の酉の日だったから、という説とがありますが、いずれにせよ酉の市は日本武尊と非常に縁深い祭事である事が分かります。日本武尊が亡くなったとされる頃(景行天皇43年、西暦113年)から、今なお日本武尊にまつわるお祭りが行われている事に、誰しも感慨深い気持ちになるのではないでしょうか。また、戦勝祈願をした埼玉県久喜市の鷲宮神社、お礼参りをした東京都足立区花畑の大鷲神社、亡くなって鳥となって舞い降りた所に建てられた大阪府堺市の大鳥大社と、日本武尊と縁のある神社が現在も残っている事に感動すら覚えませんか?

    仏教による起源の酉の市

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    浅草長國寺には別の言い伝えがあります。鎌倉時代、11月の酉の日、日蓮上人が上総国鷲巣(現在の千葉県茂原市)に滞在していた時、国家平安を祈っていると、突然金星が動きだしそこに鷲妙見菩薩が現れました。北斗七星の冠を頭に載せ、鷲に乗っている姿をしているので、人々から<鷲大明神><おとりさま>と呼ばれるようになりました。そして創建されて以降、長國寺ではこの鷲妙見菩薩が現れた日にご本尊を開帳するようになったのが、酉の市の始まりとされています。
    神道による起源よりは原点が少し新しいですが、この鷲妙見菩薩の出現が1265年。こちらにもかなり古い歴史があります。ちなみに神道の説にも神社の名前に「鷲」が付き、仏教の説でも「鷲」に乗った菩薩さまがでてくるのだから、熊手に縁起物として鷲がついていても良さそうなものですが、実際はついておらず、その理由は明治時代に日露戦争の敵国であるロシアを表す「鷲」が排除されたかららしいです。歴史が長いというのはそれだけ時代に揉まれているという事ですから、縁起物から鷲が消えたのと同じ様に、長く続いてきたお祭りが無くなることだってあり得る事。そんな中で今も賑わう酉の市に、自分がそこに居るだけで歴史の恩恵を受けている様な、不思議な気持ちが湧いてきます。

    史実による起源の酉の市が一番有力

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    さて、仏教と神道、双方の起源とされる出来事を語って参りましたが、実際の所は先に登場した、日本武尊が戦勝のお礼参りをしたとされる東京都足立区花畑の大鷲神社の近辺の農民が、鷲大明神、つまり鷲妙見菩薩の恩恵に感謝して行った収穫祭が始まりだとされる説が一番有力なようです。
    その頃の花畑は養鶏・農業が盛んで、毎年秋になるとその年の収穫に感謝して、<おとりさま>の名で親しまれる鷲大明神に鶏を奉納し、最後にその鶏をお寺の境内に放ったそうです。現在縁起物として売られている熊手に関しては、祭に際し境内で様々な農具が売られていた中、福を「掻き込む」ことから縁起物として売られる様になったとのことです。農民が収穫を終え冬を迎えるにあたり、農閑期の収入源としてどうにか農具を売ろうと知恵を絞った結果なのかもしれませんね。
    始まった年代としては定かではありませんが、1735年には花畑大鷲神社で既に酉の市が行われていました。花畑で、おそらく今よりはずっと細々と始まったであろう酉の市は、徐々にその賑わいを増し、一時期はその賑やかさに紛れて始まった賭博が原因で、繁栄と衰退を経験しましたが、場所を移したり、違う寺社でも行われる様になったりと、派生しながら時代に合う様にその姿をしなやかに変えてきました。しかし、参拝する者の、一つの年を終え新しい年を無事迎えられる喜びと感謝の気持ちに変わりは無く、人々の慎ましくも尊い幸せを酉の市は今日も見守ってくれているのです。

    酉の市、一の酉、二の酉、三の酉とは

    酉の市が立つ「酉の日」ってそもそも何か、と言うと、十二支の酉にあたる日のことで、年が子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥、と巡るように、月や日にも同じように十二支を当てはめる考え方があり、その数え方で数えると、12日に一度酉の日がやってきます。つまりひと月で最低2回、最多で3回酉の日があるわけですが、一度目の酉の日を「一の酉」、二度目の酉の日を「二の酉」、三度目を「三の酉」と呼び、それぞれの日に酉の市が開かれます。

    酉の市、三の酉まである年は火事が多いって本当?

    昔からこの「三の酉」まである年は火事が多いという、噂と言うか、迷信があります。
    事の発端は、江戸で1657年(明暦3年)1月18日に起きた、<明暦の大火>と呼ばれる、2日間にも及び江戸中を焼尽くした大火事です。しかし、以後も三の酉まである年に火事が多かったか、もしくは大きな火事があったのか、と言うと、特別そうではないらしく、そのうえ三の酉まである年はそう珍しくなく、数年に一度巡ってくるものです。地方で『宵に鳴かぬ鶏が鳴くと火事が出る』という謂れもあったらしいですが、どうやら実際に火事が多かったから出来た迷信というよりも、三の酉がある11月末頃からは寒い日が続く様になり、空気が乾燥している上に火を使う機会が増える事から、「火事に気をつけなさい」という戒めの意味で言われ始めたのではないか、と言われています。

    旦那を引き止めるための妻の作戦?

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    また、昔は酉の市で賑わう浅草の鷲神社と酉の寺長國寺は吉原遊郭に隣接しており、酉の市にかこつけて吉原へ繰り出す男性達が多くいました。遊郭をぐるっと堀に囲まれ、普段は大門と呼ばれる出入り口しか開かれておらず、出るも入るも大門まで大回りする必要があった吉原も、酉の市が立つ日は堀に橋を架けて西側の門を開放し、大きな賑わいをみせていたという事です。が、当然家を守っていた女性達はそれを快くは思わない訳で。「三の酉まである年は火事になる」という迷信は、世の女性達が考え出した、吉原へ向かう男性達を引き止めるための苦肉の策でもあったようです。

    三の酉まである年は火除け守りが授与される寺社もあり、それを目当ての参拝客でいつにも増してにぎわいます。迷信の実は定かではありませんが、火事が無いに越した事はありません。火除け守りを頂いて、火元には十分に注意したいものです。

    東京にある酉の市が行われる神社

    花畑大鷲神社で始まった酉の市は、現在は都内だけでも、なんと50カ所近くで行われています。「そんなにたくさんあるならどこへ行こう?!」と迷われる方のために、ここで東京都内で行われる酉の市の中で、特に有名な所をご紹介しましょう。

    浅草鷲神社・鷲在山長國寺

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    樋口一葉の『たけくらべ』他、多数の文学作品等にも登場したその歴史の深さもさることながら、例年熊手店約150店、露店約750店が出店し、7、80万人の人々が集まる大きな酉の市として大変有名です。「酉の市と言えばここ!」とおっしゃる方も多いかと思います。
    近辺に行かれた事の無い方はご存じないかもしれませんが、浅草鷲神社は長國寺の境内にある神社です。明治時代までは鷲神社と長國寺で一緒に酉の市を行っていましたが、政府の神仏分離の宗教政策から別々に酉の市を行う様になりました。しかし場所はもちろん隣接しているので、鷲神社と長國寺、両方にお参りする事ができます。
    なんと0時から24時まで、24時間夜通しで行われるので、「行こうかな・・・、どうしようかな・・・。」と悩んで行きそびれてしまうという事も、「その日は仕事で遅くなるから行けないかもな」という心配もほぼ無用です(笑)。文字通り一日中やっているので、人では多いですが、うまくやれば都合のつく時にふらっと熊手だけ買って帰ってくる、なんてこともできます。
    鷲神社ではおもしろいイベントも開かれます。午前0時の一番太鼓が鳴ると鷲神社から授与される熊手を最初に購入された人に一番札が渡され、それが24金・純金小判根付け(ストラップの様なもの)と交換してもらえる、というイベントです。が、これのおもしろい所は、どこの御札場からその一番札が出るかが分からないところ。「その小判根付けが欲しい!」という方は、酉の市の前日23時15分から宵宮祭が始まるので、宵宮祭から参加してどの御札場から一番札が出るか目星を付け、スタートと同時に熊手を手に入れて、来る年の運を試してみてはいかがでしょうか。

    浅草の鷲神社の酉の市は毎年伺いますが、やはり人が賑やか!もともと飲屋街浅草というだけあり、多くの露店、個人店がお酒や食べ物を提供しています。熊手を買わない・・・商売していないから・・・という方でも楽しめますね。

    https://asakusakanko.com/otori-jinjya/
    https://asakusakanko.com/torinoichi/

    新宿 花園神社

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    厳密に言うと花園神社の境内の、新宿大鳥神社での開催となります。花園神社の酉の市は新しく、明治になってから始まりましたが、今では毎年60万人もの人が訪れる、浅草鷲神社・府中市大國魂神社等と並ぶほどの大きなお祭りとなりました。前夜祭・本祭の2日間にわたり深夜2時頃まで熊手を求める人などであふれ、アジア最大級の歓楽街・新宿の地で行われることもあって、夜遅くまで賑わいます。
    花園神社が他の酉の市と違うのは、現代では珍しい<見世物小屋>があるところ。どうやら現行800円で、恐ろしいというか物珍しいと言うか、「びっくり!」な演目が見られるようです・・・。感想は人それぞれ、そして入ってみる勇気があるかどうかは別ですが、この見世物小屋があることが、確実に新宿花園神社の酉の市を特別なものにしています。中に入るのはとても無理だという方でも、花園神社の酉の市にもし行ったなら、昭和レトロな雰囲気で独特の空気を醸し出す見世物小屋の、外観だけでも見て帰る価値はありそうです。

    府中市大國魂神社

    1900年もの歴史があり、厄除けや厄払いで有名な東京都府中市の大國魂神社。東京都指定無形民俗文化財でもある<くらやみ祭>でも有名です。酉の市は、大國魂大神をお祀りする本殿に向かって右、住吉神社と同じ場所にある、大鷲神社での例祭です。府中新宿町に祀られていた大鷲神社は、明治43年に大國魂神社境内の住吉神社に合祀され、合祀後も賑やかに酉の市が行われています。
    スタートは例年18時で先にご紹介した二社よりは遅めですが、こちらも24時までと、夜遅くまでやっています。大きな酉の市ではありますが比較的落ち着いているので、会社やお店で無く個人で熊手を購入されたい方にとっては、どの熊手をどこで買うかなどゆっくり検討できるので、喧噪が苦手な方にはちょうど良いかもしれません。特に拝殿も近づく随神門より向こうは静けさがあり、神秘的な雰囲気を漂わせています。中の授与所でも熊手守りを頂く事が出来るので、拝殿と大鷲神社の両方にお参りをしてから熊手を頂いて帰る、という、賑やかさよりも参拝を重視する方におすすめの酉の市です。

    花畑 大鷲神社

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    前述の、俗説による酉の市の発祥の地、更には日本武尊が東夷征討のお礼参りを行ったという伝説のある花畑大鷲神社。酉の市の日は午前0時から24時まで神社は開かれ、夜には11月の寒空に花火も打ち上げられたりと賑わいをみせます。
    しかし、なんと言っても花畑大鷲神社と言えば、12年に一度の御神輿のお渡し。酉の市は毎年あれど、12年に一度、酉年にのみ行われるこの渡御行列は、一度は見てみたいお祭りです。直近で言うと・・・残念ながら2017年に酉年の大鷲神社大祭が行われたばかりで、次は2029年!ちょっと遠いですね。
    12年に一度ともなると、継承もなかなか難しいようです。新たな人材の確保も重要ですが、前回のお祭りを経験したノウハウのある方が次回のお祭りにも協力してくださる、ということも大切です。それに12年も経てば世の中もあらゆる事が変化しています。その変化を上手に利用しながら伝統を守るか、或いは変化に合わせて伝統の形を少しだけ変えるのか。1年ごとに行われるお祭りの継承とは別の難しさがそこにはあります。だからこそ、行う方にも見る方にも、伝統が続く事への感慨深さを感じる事が出来るお祭なのではないでしょうか。
    もちろん毎年行われる酉の市も魅力満載。平日の早めの時間こそ空いているものの、夜ともなれば大変な活気。浅草の鷲神社・長國寺もわりと近い事から、酉の市を「はしご」する強者も居るそうです。社屋の彫刻も素晴らしいですし、子どもはおみくじが大人の半額だったりと(笑)、比較的空いている時間帯に来て、参拝を楽しむのも良いと思います。神社で熊手を頂く事はできますが、熊手屋さんは朝9時頃からの開店のようですので、その点だけご注意を。

    練馬大鳥神社

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    江戸時代初期に、飛来してきた三羽の鶴の霊を祀り、後に和泉国一宮大鳥神社の御分霊を勧請・合祀した神社。酉の市は例年午前10時から夜の22時まで開催されます。神楽が1日4回も、そして投げ餅(餅まき)も行われます。
    昔は投げ餅も、新築や増築の折に現在よりはよく行われていましたが、最近では珍しいですよね。しかし、投げ餅に集まった人々の熱気(殺気?)は現代も変わらず(笑)。例年通りならば21時半から開催されるようですが、参加される方は覚悟して参加しましょう!
    社殿こそ大きなものではないものの、練馬駅のすぐ近くと言う事もあり、毎年賑わう練馬大鳥神社。境内が広くないため、当日の夜は入場制限もあるそうなので、確実にお参りされたい方はお早めの参拝をおすすめします。

    都内だけでなく、12月開催ですが、埼玉・大宮の氷川神社や浦和の調神社も、露店は1000店を超え、大きな賑わいをみせますので、小旅行を兼ねて少し脚を伸ばしてみるのもおすすめです。お寺や神社によっては、最近流行の御朱印ガールに嬉しい限定の御朱印が頂けるところもあったりします。また、先に述べました様に都内だけで50近くもあるのです。調べてみれば意外と近くにあると思いますので、地元のお祭りとして気軽に立ち寄ってみるのも良いですね。

    酉の市の熊手を詳しく知ろう!

    ここまででもなんども登場した熊手。ここからはこの熊手を掘り下げてみましょう。

    熊手の種類

    福を「かきこむ」ことから縁起物として酉の市に無くてはならないものとなった熊手。縁起物として熊手が売買される様になった始めの頃は、ごくごくシンプルで実用的なスタイルのものでした。何の飾り気も無い、ただの熊手。そこへおまけとして様々な物が付けられる様になり、現在ではおたふく、鶴、亀、米俵、鯛、小判、笹や松などを始めとした定番のものから、キャラクター、有名人やその年の世相を表すものをあしらった熊手など、実に様々なデザインのものが販売されています。

    柄のついていない置き型の熊手も最近は人気です。年ごとだけでなく、地域ごとにも飾られる縁起物には違いがあり、関東ではおたふくを付けた熊手が多いですが、関西では恵比寿さまや大黒さまが飾られる事が多いようです。また、関東では熊手の内側に飾りがついていますが、関西は熊手の背の方に飾りがついています。
    さて、この酉の市の熊手の種類、実は大きく分けて2種類あるのですが、ご存知でしょうか。その種類によって買い方に少し違いが出てきます。

    値引きを楽しむ!露店の飾り熊手

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    一つは、露店で購入できる飾り熊手。酉の市では多くの方が露店で熊手を購入される事と思います。お店ごとにデザインも違い、様々な大きさのものがあり、どれにしようか選ぶのも楽しいですね。そして酉の市ならではの値引き交渉。交渉と言っても値引額はそのままお店の方へのご祝儀となるので、お店の方との掛け合いと、購入後の手締めの声を楽しみます。最初は小さい熊手から初めて、年々徐々に大きくしていくのが基本です。

    神社で購入する御札所の熊手守り


    もう一つは、露店で売られている熊手とは別の、神社仏閣の御札所で頂ける熊手守りです。寺社によりデザインに違いはありますが、露店で売られているものより、ぐっとシンプルな装飾なものが多いです。こちらでお求めになる熊手守りは、<御札>なので、年々大きなものにしていく必要も無いそうです。そして注意してほしいのが、あくまで<御札>なので、間違っても値切らないで!という事(笑)。手締めの声も無く、露店とは明らかに違う雰囲気なので、御札所で「よし!値切ろう!」という気持ちになる方はいらっしゃらないと思いますが、念のため。

    露店での熊手の買い方

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    今年初めて酉の市へ行かれる方、或いは、「買ってみたいと思ってたけど、熊手は決まり事が分からない」「酉の市は行った事あるけど、熊手って自営業やお店やってる人だけが買うものでは?」と思っている方。個人でも熊手は買って良いんです、企業やお店の方だけのものではありません。ご家庭でも飾っていらっしゃる方はたくさんいらっしゃいます。買い方だって、決まり事というより、「粋な買い方」があるだけです。今年初めて露店で熊手を買おうという方。難しく考えず、より酉の市を楽しむメソッドとして、覚えておいてはいかがでしょうか。

    熊手の選び方

    熊手を選ぶにあたって、まず気になるのはお値段。相場でいうと、だいたい1,000円から2,000円位のものから5万円のものまであります。ところによっては数十万円のものも。
    「じゃあ今年は子どもの受験もあるし、奮発して○万円のにしようか!」と考える気持ちも分かりますが、そこはぐっと我慢。最初はとにかく小さいのにしましょう。
    というのも、熊手は縁起をかつぐもの。今年大きなものを買って、来年今年より小さなものを買ってしまうと、掻き込む福徳も前年より小さなものとなってしまうと考えられています。2年続けて同じサイズのものを買っても良いそうですが、とにかく小さくなるのはよろしくないようです。
    一度大きくしてしまえばもう小さなサイズには戻れないのです。「小さいのしか買っちゃだめか・・・」と落ち込まずに、いろんなお店を回って、小さなサイズでも気に入るデザインを探してみましょう。もしどうしても一番小さなサイズでは不安、という方は、お店の方に相談してみるのもアリです。

    酉の市での熊手の値切り方

    さてさて、初心者の方はここが一番ハードルが高そうだと思ってらっしゃる方も多いのでは。
    でも、そもそも値切った金額もご祝儀になるのですから、値段交渉もそんなに身構えず、単に酉の市の雰囲気を楽しむものだと思えば良いのです。
    気に入った熊手を見つけたら、お店からすぐに掛け声が飛んできます。声を掛けられたらまず少なめの予算を告げると、お店の方は小さめの熊手をすすめてくるので、ここから商談開始!お店の方との会話を楽しみながら、希望の大きさの熊手を如何に値切るかはあなたの腕次第。商談が成立したら、まけてもらった分はお店にご祝儀として渡しましょう。それができたらあなたも<お大尽>です!
    ここまで読んで、「やっぱり私にはハードルが高い・・・」と熊手を買うのを諦めようとした方。ちょっと待ってください。この値段交渉は、<絶対>ではないんです。人によっては「やはり縁起物は値切るのは良くない」という考え方もあって、伝統の<お店の方へのご祝儀>も、熊手の代金に上乗せして払うものだ、という人もいらっしゃるんです。少し多めに払ったり、お釣りを断ったりするくらいなら、ぐっとハードルは下がりませんか?
    両極にあるようなこの二つの意見。あなたはどう考えますか?つまりは値切るも値切らないもあなた次第。お店の方とのコミュニケーションを大切にしながら、ちょっとお大尽気分、味わってみませんか。

    熊手の飾り方

    さあ、ここからは神社やお寺で頂いた熊手守りも露店で買った飾り熊手も同じです。熊手を買ったら意気揚々と、高く掲げて帰りましょう。高く掲げて歩く事で、大きな福を掻き込む、と言われています。そして持ち帰ったとき、どこに飾っていいか分からない方も多いのではないでしょうか。昔は各家に神棚がありましたが、現在では床の間も無いお家が多いですね。
    神棚があるなら神棚がベストですが、無ければ、和室があるお家でしたら鴨居の上、洋室ならピクチャーレールを使っても良いです。より福を掻き込める様に玄関に飾る方も多いです。清浄な場所の、目線より高い位置に飾りましょう。
    飾る向きはというと、玄関に飾る場合は入り口の方向に向け、その他の場所ならばその年の吉方を調べその方角に向けたり、受験や就活の年ならば志望校や入社したい会社の方角に向けたり、というのも良いでしょう。寺社で頂く御札と同じ様に、太陽が昇り始める東に向けたり、太陽が高くなる南に向けるのはよしとされていますが、北向きだけは不吉とされているので避けましょう。

    一年お世話になった熊手の返し方・納め方

    酉の市で授かり一年お世話になった熊手は、感謝の気持ちとともに、購入した酉の市の神社やお寺にお返ししましょう。新たに酉の市が立つ頃になると、古い熊手を納める場所が用意されている事が多いです。もし熊手をお返しする場所が見当たらない場合は、お店にもよりますが、買ったお店にお返しする、という方法もあります。お返しした後新たな熊手をそのお店で買えば、そのお店の常連さんになれるかもしれませんよ。また、どんと祭(とんどさん)がある地域でしたら、一緒に焚いて頂くのも良いと思います。
    どんと祭も無いし、購入した酉の市の寺社に行く事が困難な場合は、近くの神社やお寺で、お焚き上げをお願いしてみるのも良いでしょう。購入した酉の市の寺社へお返しするのが一番良いですが、お願いすればお焚き上げしてくださるところもあります。

    今年2018年の酉の市は11月の1日(木)、13日(火)、25日(日)。
    今年は三の酉まであるので、3回チャンスがあるという事。有名な大きな酉の市へ行くもよし、気軽に行ける近所の酉の市へ行くもよし、思い切ってハシゴしてみるもよし!来る年の支度を始める前のひととき。今年は景気の良い手締めの声響く、賑やかなお祭に行って楽しみませんか。

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