「主役のどぜうは、旦那さまがたで楽しんでくだせぇ。あっしは、鍋の中の豆腐で十分ですんでね・・・」
ところが、生きたドジョウは冷たい豆腐の中に逃げ込んでおり、結局まんまとドジョウをせしめる。…こんな一幕が落語に描かれているほど、江戸の味覚として広く親しまれていたどじょう鍋。
田畑や湖沼の自然が今の東京と比べて豊かだったからこその、往時の食文化でもあります。そんな江戸時代の食文化であるどじょう鍋を今の世に伝え続けているのが、ここ飯田屋です。
浅草で江戸の食文化を!どじょう鍋ならごぼうたっぷりで美味しい飯田屋。
飯田屋さんは、浅草の国際通りにある今半の角を曲がったところの合羽橋通り商店街にあります。
電話番号は03-3843-0881、住所は東京都台東区西浅草3-3-2。営業時間は11:30から 21:30、ラストオーダーは21:00です。定休日は水曜日となっています。
お店の目印となるのが、高々と掲げられた「どぜう」の3文字。
4文字よりも3文字の方が縁起が良いから、このような表記になったという説があります。この唐突な3文字の看板と、あたりに漂う割り下とゴボウの良い香りは、界隈のチャームポイントにもなっていると思います。
どじょう以外のメニューも充実!川魚のプロ飯田屋
メニューは、どじょうなべが¥1750、あらかじめ卵でとじられて供される柳川なべが¥1850、ドジョウをサクサクに仕上げた空揚げが¥880。うな重が¥3100、冬場にはナマズ料理も取り扱っています。
ドジョウはもちろんのこと、ウナギにナマズと、まさに泥にすむ魚料理のプロという矜持が感ぜられるラインナップですね。また、コアなどじょう鍋ファンにとっては、追加ゴボウ¥350は欠かせないのだとか。
飯田屋、お酒でどじょう鍋を楽しむのも良し、ランチメニューも人気
それではここで、飯田屋でお食事を楽しまれたお客様の口コミをご紹介しましょう。
濃い茶色の座卓、青と白の瀬戸物の茶わん、そして使い込まれた鉄鍋。食事に関するものどれもが、幼いころに祖父母宅で体験した光景で、懐かしさに思わずはっとしました。
どじょうはそのイメージとは裏腹に、上品な白身がほろりとして、きめ細かい油の味が甘辛い割り下と合わさって煮られることで、見事な味わいになっています。このドジョウのだしが出たところに、ゴボウとネギをたっぷり投入すると、またこれがおいしい!ゴボウの甘みとほのかな土の香り、そしてネギのさわやかさが加わって、お酒が進んで進んで困ってしまいました。
どじょうなべというと、江戸の名物であることは知ってるけど、ちょっと敷居が高く感じる・・・という人にお薦めで、私もよく頼むのがランチメニューで平日 15:00まで限定の、”どじょう汁ご飯”。
白いご飯に小鉢が2品と、濃厚な味噌味のどじょう汁がついて¥600です。これで午後からの仕事も、スタミナがついてバリバリこなせちゃうかも。
初めての場合はお昼にさっと楽しむのも良さそうですね!どじょう鍋と言えばもう1店欠かせないのが駒形どぜうさん。こちらも一緒にチェックしてみましょう。他にも浅草には美味しい魚料理のお店がたくさん!色々とめぐってお気に入りのお店を見つけてくださいね。